アディダス×ドラゴンボール発売!親切すぎる対応が、ブランドに貢献しない理由

解説

アディダスといえば、ナイキに比してほしい第一候補だが、はっきり言って現在、ナイキにちぎられている感がある。

かつては、かのアディダスであったが、ナイキのマーケティング力に叩きのめされたと言っても言い過ぎではないだろう。

なぜナイキにぶっちぎられてしまったのか。

そこには、アディダスの親切さが逆に仇になっている、残念な現象がある。

本日9月29日、アディダスはドラゴンボールとコラボし、悟空モデルとフリーザモデルを発売。10時の発売から、すでに本稿執筆時点の12時段階で悟空モデルは完売している。

アディダスのオンラインサイトをトップからみてほしい。

スニーカーがたくさん並んでいるわけだが、なぜか、売り切れがない。ファレル然り、である。

しかし、よく調べると売り切れもあることはわかる。いまでいえば、ドラゴンボールコラボの悟空モデルは売り切れているし、イージーなどは当然瞬時に売り切れる。

ただアディダスは、売り切れ情報を前面にださない。もちろん、売り切れスニーカーは買えないのだから、買う人にとって意味のない情報ともいえるが、じつはそれは違う。

売り切れスニーカーこそ、人気があるとして、消費者はメルカリや楽天、アマゾンやebay、はたまた独立系スニーカーショップの在庫を探しに行く。

アディダスには、こうした消費者の行動を見込み、許容して、売り切れスニーカーもしっかり表示してほしい。

ここまでオンラインが浸透すると、巻き込み力こそがブランド力になる。

アディダスのオンラインサイトだけで売れないといけない、などのクローズドな発想では、オンライン、デジタル購買を効果的に拡大することはできない。

インターネットは、オープン、シェア、コピーといった、良くも悪くもオリジナルの権利が薄れてしまう特性にあり、これこそが広がりの源泉でもある。

ナイキをみるにつけ、転売目的者もふくめて非常にうまく利用している。

ビジネスの拡大と権利の再利用、つまりは転売についての許容は、コントロールが難しい分、試行錯誤の回数が物を言うのだろう。

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