想像通りというか、歴史は繰り返したというしかない。
ナイキがダンクを連発したことで、明らかに国内のナイキ熱は冷めた。一時期に比べ、SNKRS参加者は減ったようにみえ、出てくるスニーカーも、迫力がない。
力のあるジョーダンブランドが出てこないことが大きいだろう。
五輪にかけては、ブランドコラボの一連の取り組みがあり、オフホワイト系のスニーカーも一部登場する見込みだが、いかんせんオフホワイトコラボがスポーツモデルに寄っている。
スニーカーマニアにとっては、これはチャンスかもしれない。
ファンは後退しているので、前述したオフホワイトも、ある程度の争奪戦にはなるだろうが、かつてほどの倍率ではことは間違いない。
スパイクのトゲトゲがついたスニーカーを街中で履こうというファンは相当な濃いファンに限定されるからだ。
スニーカー業界全体でみると、着々とコラボをヒットさせているのがニューバランスだ。
オーラリーとのコラボや、吉祥寺のセレクトショップ、ジアパートメントとのコラボであるマスタードディップなど、縦続けに人気コラボが展開されている。
そもそも、ナイキは全方位だが、ニューバランスはハイテクには弱く、コラボも新進気鋭のブランドと行うよりは、地道なセレクトショップなどと行うと、相乗効果は高いかもしれない。
ナイキがいまひとつなタイミングで、アディダスの頑張りに期待したいが、これまたいまひとつだ。
アディダスも、ナイキ同様全方位だが、ナイキほどクオリティが高まっていない。
たしかに斬新なデザインは採用しており、一定の成功もしているが、ナイキの牙城に穴を開ける脅威が感じられない。
脅威ならば、ニューバランスのほうにあると筆者は感じている。
例えばマスタードディップは、ニューバランスがコラボモデルの定番にできるはずだ。
つまり、色を変え、名前を変えるだけで良い。マスタードではなく、バーベキューソースや、ケチャップ、コチュジャン、発想次第でチャンスはある。
ナイキの伸び悩みは間違いなくあり、スニーカー業界も熱を失いつつある。
ナイキが復活することも望みつつ、ニューバランスあたりが鋭角からナイキの牙城に穴を開ける、そんな瞬間も期待したい。