2021年に入り、ナイキはダンクの新モデルを連日発売している。
一説によると、ダンク人気の拡大は、スニーカー市場の衰退の前兆という話もある。
しかし、今回のそれが果たしてこれまで同様なのか、スニーカー市場は盛り上がったままなのか。
ダンクを連発するナイキ、そして、スニーカー市場の今後を読んでみたい。
◆なぜナイキはダンクを連発して発売するのか
ダンクの特徴から考えると、
・安い
・シンプルデザイン
のふたつだろう。
安い、ということは若者もターゲットに入ってくる。ジョーダン1はじめ、定価が上がっているが、ダンクは定価一万円を少し超える程度で、手が出しやすい。
またデザインがシンプルなので、カラーだけで戦える。これは製造コスト的にもかなり圧縮できる。
ナイキ的には、発売連発可能な土壌がとうに準備されている。
◆ローカット全盛
ダンクはハイカットとローカットがあるが、いまはローカット全盛だ。
ここにもヒントがありそうである。
ひとつは、女性だ。
そして、ファッションのトレンド。トレンドを作るのは若者だ。
つまり、女性と若者という、次世代の支持者を作るための戦略的なモデル投下がいまのダンクである。
◆スニーカー市場はどうなる?
ナイキは次世代の支持層をダンクで構築している。若者と女性をつかみ、そうした人々が年々歳を取り、経済力があがると、高いスニーカーにかじりつく、濃いファンになる。
今のスニーカー市場は、経済力のある、おじさんたちが支えているわけで、ナイキは10年、20年先のコアターゲットを作りにかかっているのだ。