本サイトでは2021年に入り、何度も警鐘を鳴らしてきた、ナイキのダンク連投。歴史的に見ても、ダンクが連続して発売された後に、スニーカー熱は低下することが証明されているからだ。
2021年はダンク連投の年となった。
ここまで、さまざまなカラーのダンクがこれでもかとばかりに発売され続けた。
時にはコラボがあった。
特に、先日行われた、鉄板のオフホワイトコラボは、二次流通でも高値で転売されている。
このモデルの販売方法は、限定オファー縛りだったわけだが、それは改めて論じたい。
オフホワイト×ダンクのモデルが、ダンク連投の終止符となる可能性は高い。それはオフホワイトコラボが、現状のナイキの頂点に近いコラボであることに起因する。
そして、同時期にAJ1×フラグメント×トラヴィスという3コラボモデルが到着したこともあり、人気コラボの連投は、この夏最大の注目ポイントであったはずだ。
したがってここからは、これまでのペースでダンクが量産されることはないと考えている。
つまり、スニーカー熱は下火となった、という解釈に近い。
ここからどのようにスニーカー熱を上げていくかは、ナイキの商品戦略によるところは大きいが、他社にも期待したい。
例えばニューバランス。
筆者は、ある意味でアディダスよりも、筋があり、ナイキとは別の市場で淡々と戦っている印象を受けている。
先日展開された574もニューバランス的には好調だろうから、今後はコラボなどを駆使して、ナイキを脅かすところまでは行かないまでも、独自路線で確実なファン層を広げていってほしい。
アディダスは、、、
先日、リーボックを売却したことがニュースになった。
リーボックは筆者的には渋い、良いポイントをついているという印象があるとともに、ラインアップに偏りがあるという感覚も持っている。つまり、インスタポンプが中心で、それ以外があまりにも弱い。
インスタポンプはアレンジは確かに聞くのだが、ベースデザインの奇抜さが裏目に出て、ファン層の幅が出ないという問題を長年抱えているように見える。
第二、第三の柱が構築できることを、アディダスも期待したのだろうが、なかなかそのトライが成果を生まなかったため、この度の売却に至った。
アディダス的には、近すぎるブランドを一つの傘下に収める難しさもあっただろう。
アディダスの話に戻すが、ナイキに肉薄できるのはやはりアディダスと考えたいが、最近の商品戦略を見るに、ナイキに近づくのは先になるだろうという感じである。
さまざまな手を打っていることはよくわかる。
コラボ系、デザイン系、ハイテク系、環境系、、、
いずれも多少なりとも注目を浴びているが、ナイキほどの物量に至らない。
筆者はアディダスはもっとスニーカー以外の枠を広げ、アパレルからイベント全般まで、広く投資しても良いのではないかと感じている。
ナイキとぶつかる世界以外のところで、ナンバーワンを取れば、あるいはナイキと戦えるのではないだろうか。
アディダスには期待したいが、今のところ物足りないというのが正直なところである。
コンバース。
先日、ワンスターのブラックが復刻したのだが、値段が上がった。このことがコンバースの苦しさを如実に表している。
筆者は、ワンスターのブルーを履き潰した経験があり、ブルーが復刻することを心待ちにしているのだが、複数のカラー展開をするほど、コンバースの懐事情には余裕があるとは思えない。
ワンスターであれば、ブラックだけでなく最低でもレッドは欲しかった。
ベーシックな2色展開ができない時点で、コンバースの苦しさは確定している。
コラボなどにも着手しており、頑張ってほしいが、厳しい戦いは続くだろう。
新興ブランド。
オールバーズの躍進は記憶に新しい。
またON、他ほホカオネオネなども急速にファンを増やしている。
中国にはリーニンなどの地場ブランドが多数あり、当初は商品としての魅力も少なかっただろうが、中国市場に磨かれ、商品力を高めている。結果として、斬新なデザインなどで中国国内では、グローバルブランドと肩を並べるほどになっている。
古豪ブランド。
アシックス、オニツカタイガーなどはまだまだ商機はある。
巨人には勝てずとも、小さいブランドとしての立ち位置が明確だからだ。
その意味で、アディダスのような苦しさはなく、各ブランドがブランドポリシーに則って、引き続き商品を展開してもらいたい。
ナイキの動向はスニーカー市場を大きく揺るがす。
そして今、ナイキが熱をさましたため、他のブランドにチャンスが巡ってきている。筆者は個人的には新興ブランドの台頭を期待しているが、アディダスを押したり、ニューバランスや古豪ブランドを推していくのもありだと思う。
読者諸氏に、良いスニーカーへの巡り合わせがあることを、祈っている。