最近のスニーカー界隈では、明らかにローカットスニーカーがはやっている。
最近のダンク人気と、合わせてローカット人気はなぜ起こっているのだろうか。
◆ハイカットは、ファッション的に難易度が上がる
ハイカットのスニーカーは、パンツとの相性が非常に難しい。
例えば、普通の丈のデニムにハイカットのスニーカーを合わせると、デニムの生地の足首部分がもたつく。
そこで、ハイカットのスニーカー用には、足首がスッキリしたパンツが好まれる。
例えばジョガーパンツなど、足首が締め付けられているものだ。
◆スニーカーに合わせるのか、パンツに合わせるのかと世代の波
ハイカットのスニーカーがファッション的に難しいというのは上記の通りであるが、
とはいえ、スニーカー好きなら、ローカットのジョーダン1はデザイン的にはやはり相当落ちるし、強いていえばダンクだって、やはりハイカットこそダンクでしょう、という意見はあるだろう。
しかし、時間を経て、現在の10代、20代の若者が求めるのは、全体のバランスがとりやすいローカットなのだろう。
そこに引っ張られるようにして、メーカーがローカットを推し、ハイカットのオリジナルを知るおじさん世代もローカットに巻き込まれていく、そういう流れが出来上がっているのではないだろうか。
◆ジョーダン1のテニススニーカー「センターコート」が示唆するもの
ジョーダン1ブランドから、2020年末に出た、テニススニーカー「センターコート」。
これは、ほぼスタンスミスのジョーダン版だ。
筆者はこのスニーカーを購入したのだが、素材は上質で、スタンスミスの履き心地を圧倒する。
もちろん、テニススニーカーなので、ローカットであり、カラーもほぼホワイト(シュータンなどはベージュ)で、パンツには合わせやすい。
デニムを履く人は、相当数いると思われるが(人口のほとんどかも)、それに対するスニーカーとして、スタンスミスが構築した、合わせやすさという強みは、非常に存在感が大きい。ジョーダンブランドでここに風穴を開けるには、ジョーダン1で展開するという気合の入れ方で、立ち向かうのが、もっとも合理的だろう。
おそらく、ジョーダン1センターコートは、カラーバリエーションを展開してくるのではないかと思われる、ブラック、ブルー、ブラウン、グレーあたりは、予測できる。
しかし、人気になるのは間違いなくホワイトだと思う。
◆ローカット全盛時代へ
2020年に出た、ユニオン別注のナイキジョーダン4も、実はローカットを意識していた。
シュータンが短くカットされたデザインを採用していたのだ。
ジョーダン4、ジョーダン5などは、シュータンが大きめに作られており、タンがパンツと干渉して履きにくい、という印象は確かにあった。
そうした、ローカット志向の反映であると思われる。
ダンクに顕著なローカットの流行はこの後も続くとみられるが、個人的には、虎の子のジョーダン1が、ローカットで展開されても、デザイン的には完全に落ちると思うので、それは避けて欲しいと思うが、もし、デザイン的にも高次元を維持した状態のジョーダン1のローカットが展開されるのであれば、どんなものなのか、見てみたい気もする。