コロナで外出機会が減った人は多いだろう。
加えてこの猛暑である。暑くて外に出ることも憚られる季節だ。
そんな中で、スニーカーは売れているのだろうか。
ナイキの最新の決算から読み解いてみる。
ナイキの第4四半期(3〜5月)の決算は、売上高63億1300万ドル(約6628億円)で前年比38%減、当期損失は7億9000万ドル(約829億円、前年は9億8900万ドル=1038億円の黒字)ということで、明らかにコロナの打撃を受けている。
さらにナイキに関しては、10月から従業員500人の解雇を予定している。
以上のように相当な打撃を受けている。
一方で、スニーカーの販売という意味では、それなりに人気のあるスニーカーは毎回即完売になるし、転売もされている。
ここにはどのような関係があるのだろうか。
簡単に言えば、転売されるような希少なスニーカーは全てマーケティング施策の一環であるということだ。
往々にして、マーケティング施策そのものが、売り上げを生むものとは限らない。
もっと言えば、ナイキのマーケティングは直接的にナイキに金を生むものではない。
ナイキというブランドを高めることはあるが、直接的に金を生むものは、希少なスニーカーの売り上げではなく、アパレルやランニング用シューズをはじめとする、汎用的な商品である。
繰り返していうが、希少なスニーカーはナイキのブランドは高めるにせよ、直接的な売り上げを生むものではない。
もし仮に、ジョーダン1のブレッドやロイヤルが、大量に販売されてしまえばブランドそのものを貶めることになる。確かに、ギリギリの希少性を保てるように、再販を繰り返してはいるが。
今後のナイキのスニーカーの展開を見ても、以前のような、コラボを連発するような攻めの姿勢は感じられない。
ここに関しては、アパレルブランド全体に言えることなのだろう。
それほど、コロナの影響は大きく、長期に渡りナイキのようなメーカーを苦しめる可能性があるということだろう。