靴紐が自動で閉まる、アダプトシリーズ。
その中でも新作となる、アダプトハラチのブラックブルーが、発売後即完売とはならなかった。
なぜだろうか。いくつかの理由を考えてみたい。
まずはデザインである。
前回発売になったアダプトハラチは、鮮やかなスカイブルー(水色)をベースに、
挿し色としてオレンジとイエローを使っていた。
いかにも目立つデザインである。
そのカラーリングのアダプトハラチは、即完売だった。
今回はベースのモデルは前回と同様だが、カラーリングがブラックとブルーという、
比較的なじみやすいカラーである。
普通の消費者であれば、このカラーの方が購入しやすいと考えられるが、
アダプトハラチを買うような消費者は、マニアである。
つまり、スニーカー単体の存在感を追い求めるのだ。
したがってカラーリングは奇抜なものが良かったのだと思われる。
もう一つが金額だ。
税込みで4万円ほどするアダプトシリーズ。
当初でたハイパーアダプトは8万円程度の金額で、そこから半額になった。
けれども、まだまだ高いのは正直なところだろう。
アディダスが3Dプリント技術でソールを製作している、4Dが概ね同額だが、自動でシューレースが締まる機能と、
ソールの最新加工、どちらが現実的に未来なのかはユーザーそれぞれに委ねられるだろう。
ただ、アダプトシリーズは電気を利用しているため、水などの環境下でのハードな利用には適さないとみられる。
その点、アディダス のソール加工技術は、そうしたハードな利用に関して、デバイスとしてダメージを受けるということはないだろう。
最後に、自動でシューレースが締まる機能に対して、ニーズを持つユーザーは、尽きたのではないかとみられることだ。
そもそも特殊な機能であり、金額というハードルもあるため、それらを乗り越えてまで
このスニーカーを欲しているユーザーはおそらく多くない。
そうなると、すでに何足かアダプトシリーズは展開されているため、
基本的な需要は吸収してしまったのではないかとみられる。
以上のような理由から、アダプトハラチが売れ残っている理由を予測することは可能だろう。