スニーカー界のモンスター、ナイキ ジョーダン1。
このジョーダン1が危機に瀕しているかもしれない。
おもに危機と感じる要因を3つあげたい。
◆ミニマルなヴェイパーマックスの人気
世界的な人気モデルになっている、ナイキのヴェイパーマックス。ヴェイパーの特徴といえば、ニットアッパーと、ビジブルエアソールだが、このアッパーもソールも、非常にミニマルだ。
つまり、機能が限られつつ、極限まで磨かれてもいる。
このミニマル志向は、ジョーダン1のある意味対極にある。
ミニマル志向を自らナイキは生み出してしまった。
つまり、強烈なライバルがナイキ内に登場したという事実だ。
◆再販されすぎ?
先日5年ぶりに再販された、ジョーダン1シャドー。
この転売価格があまりはねなかった。消費者としては、複雑な思いである。ジョーダン1シャドーといえば、ジョーダン1のダークホース的な存在で、転売も少なく、これまでは、転売価格が5万円を超えていることも多かった。
しかし、今回の再販で数が出たようで、転売価格は2万円強、2万5000円で十分手に入る。
これは、バネット、ロイヤル含め、再販回数が多いことに、消費者が気づいているため、発売在庫数と、需要が悪い意味でバランスがとれてしまっていることに、起因しそうだ。
◆デザインは不変で良いか
ジョーダン1がなぜスニーカー界のモンスタープロダクトになったのか。
ジョーダンという存在、スニーカーのデザイン。様々な要因があるだろう。
デザインは時代を超えて価値を維持、向上してきた。
さらにはナイキというブランドさえ越えて行くジョーダンブランドでもある。
デザインは相対性があるものだ。したがって、ミニマルに対して、ラグジュアリーなデザインが、時勢次第で上がりも下がりもする。
ジョーダン1がラグジュアリーか、ミニマルか、を定めるのは、デザインの相対性なので控えたいが、ジョーダン1のデザインは不変だからこそジョーダン1である。
その不変のデザインが、この30年来の人気に陰りをもたらす要因になっているかもしれない。
すなわち、一時的にしろデザインが市場に合わなくなっている可能性がある。一時の人気に比べると明らかに時代とのズレはある。
こうした課題を克服するためにも、オフホワイトコラボなどに着手しているが、ジョーダン1でのコラボの成功や、デザインの派生が加速度的に増えていることに、背中合わせにあるジョーダン1の危機を感じずにはいらない。
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